楽曲分析研究
4単位
- <担当教員>
-
田村 文生
- <連絡先>
-
bunsay@kobe-u.ac.jp
- <授業の概要>
-
この授業では、音楽史上落とせない作曲家・作品からいくつかを取り上げ、ハーモニー、ハーモニックリズム、垂直・水平構造、形式、様式、音の意味など、様々なパラメーターに着目して分析します。全体を通じて、音楽の様々なパラメータが、全体の構造にどのように作用しているかということ、また、H.シェンカーのような分析方法を参考に田村の視点を加えつつ、楽曲の背景・中景・前景についての分析も採り入れています。
後期は、履修学生による研究発表によって授業を進めます。
- <授業計画>
-
分析作品(各作品の細かい授業内容はこちらを参照)
前期
Bach/Suite fur Violloncello Solo 1 Menuet(無伴奏チェロ組曲第1番 メヌエット)
Bach/Franzosische Suiten 5 Allemande(フランス組曲 第5番 アルマンド)
Bach/Cantata 12(カンタータ第12番「泣き、嘆き、憂い、怯え」)
Beethoven/Sonate for piano no.1 1st mov.(ピアノソナタ第1番)
Wagner/Vorspiel, Tristan und Isolde(「トリスタンとイゾルデ」前奏曲)
Debussy/A L'apres-midi d'un Faune (牧神の午後への前奏曲)
以上の作品を分析する(講義)その後、前期レポート相談・指導
後期
学生による研究発表(履修人数により補講などを入れて授業回数を調整)研究発表前と、レポート提出前に、数回の打ち合わせ
- <テキスト>
-
該当作品の楽譜等(授業時に配布)
- <参考書>
-
総合和声(音楽之友社)、作曲技法(属啓成・音楽之友社)、Structural Hearing-tonal Coherence in Music(Felix Salzer/Dover)など
- <授業の形式>
-
前期:講義とレポート作成
後期:学生による研究発表が主体
- <評価の方法>
-
出席、授業態度、研究発表(後期)、レポート(後期、10000字程度)を総合して評価
- <先行科目>
-
音楽基礎論、和声学、西洋音楽史
- <関連科目>
-
西洋音楽史
音楽学概論
- <備考>
-
■単位取得のためには、楽典・和声・音楽史のある程度の知識と、ある程度の実習経験を有することが望ましい(授業に参加するための最低限の知識と能力が必要)。
「音楽史上重要そうな作品を解説付きで聞いてみたい」という者も歓迎するが、所定の要件を満たさない場合には単位は与えられない。
■日本語の読解力、文章力、会話力もかなり重要です。
■前期修了時点で、研究発表を行うかどうか履修生に確認し、希望者には、簡単なレポートを課します。それによって所定の能力が確認された者を後期の履修資格のある者とみなします。この時点での不合格の者が後期に受講することを妨げませんが(通年の授業なので)、単位にはならないことを事前に了解願います。
■前年度、研究発表以前に履修を放棄した者は再履修を認める。
研究発表を行った後に放棄した者の再履修に関しては相談して下さい。
■授業期間中に教育実習を行う者は、実質的に4回或いはそれ以上に相当する欠席となるので、あまり履修を勧められない(詳細は相談して下さい)。
■研究発表からレポートを作成する時期(12月〜1月頃)には非常にハードになります。